コラム:ハーランドは「たった」3000万ユーロで買える? ザルツブルクとRBライプツィヒの間に存在し得る特別条項

コラム:ハーランドは「たった」3000万ユーロで買える? ザルツブルクとRBライプツィヒの間に存在し得る特別条項

昨シーズンの冬にザルツブルク加入したエルリング・ハーランドは、今季就任したジェシー・マーシュ監督にレギュラーとして抜擢されると、CLデビューから5試合連続得点など公式戦19試合出場で27得点7アシストと大爆発。

ここまで驚異的な数字を残すと、当然多くのクラブが興味を持つ。
モルデ時代にハーランドを指導していたスールシャール率いるマンチェスター・ユナイテッドなど、いくつものメガクラブが獲得を狙っているようだ。

ハーランドの契約には特別条項がある?

そんな中、『Bild』が気になる報道をしている。
ハーランドの契約には、RBライプツィヒにだけ有効な契約解除条項があるのだという。そして、そのバイアウトにかかる移籍金は3000万ユーロだとも伝えている。
今季の活躍で移籍金が急騰して、獲得に6000万ユーロ、メディアによってはムバッペ級の1億ユーロにも達すると言われていることを考えれば、このバイアウト額は格安だ。

この特別条項の存在について、ザルツブルクのSDであるクリストフ・フロイントは否定している。しかし、過去にこれと同様の特別条項で移籍したのではないかというケースをいくつか思いついたので紹介していきたい。(あくまで何の根拠も無い個人的な推測だが)

過去にもあった?特別条項でレッドブル間移籍

ザルツブルクからRBライプツィヒへの移籍は、何年も前から、何度も行われてきた。
RBライプツィヒが2部にいた頃ではグラーチ、イルザンカーなど、1部に昇格してからもその流れは続き、直近ではヴォルフ獲得と、ザルツブルクの主力を引き抜き続けている。

この2クラブ間の移籍で、ハーランドに噂されているような特別条項で移籍した可能性のある3選手を挙げていく。

ケイタ、ハイダラのケース

ザルツブルクからRBライプツィヒを経てリヴァプールに渡ったケイタ

15/16シーズン、ナビ・ケイタは大きな活躍をする。
ボランチの選手ながらリーグ戦で12得点を記録してシーズンMVPに輝いたのだ。ザルツブルク内でこれより多くゴールを決めたのはエースストライカーのジョナタン・ソリアーノだけだった。(3位が南野拓実の10得点)

当然これだけ攻撃性能のある3列目の選手なら数多くのクラブが獲得に興味を持つ。しかも、ケイタはこのシーズンに長期の契約延長を結んでおり、仮に移籍するにしても多額の移籍金収入を見込めた。

しかし、このギニア人MFは翌シーズン1500万ユーロの移籍金でRBライプツィヒへ行った。


ハイダラも同様のケースに該当すると思われる。

ハイダラの移籍はケイタのデジャブのよう

マルコ・ローゼの教え子としてザルツブルク史上初のELベスト4に大きく貢献したアマドゥ・ハイダラは、その次のシーズンを半年過ごしてから、冬にRBライプツィヒへ加入した。

彼も活躍したシーズンに長期の契約延長、翌シーズンに移籍、移籍先はRBライプツィヒ、移籍金は2000万ユーロ以下。ケイタのデジャブのようだった。

ウパメカノのケース

最も特別な条項の存在を感じたのがこのフランス人DFだ。

レッドブル・グループ全体でプロテクトした印象のあるウパメカノ

ヴァランシエンヌの下部組織に所属していた頃からバルセロナやマンチェスター・ユナイテッドに注目されていたダヨ・ウパメカノは、15/16シーズンにザルツブルクが争奪戦を制して獲得。
ザルツブルクは、彼を初年度にはセカンドチームであるリーフェリングで経験を積ませて、2年目はCBだけでなく中盤のポジションでも起用して時間をかけて育成していく方針だった。
しかし、彼のポテンシャルを高く評価するメガクラブの熱が冷めることは無かった。バルサやユナイテッドは再度獲得を熱望する。

そのためウパメカノは、ザルツブルクのトップチームで試合に出場するようになってからまだ半年だったにも関わらず、RBライプツィヒへ「昇格」していった。まるで、レッドブル・グループ全体でこの選手をプロテクトするかのように。


この2つのケースを見ると、RBライプツィヒに関する優先条項は十分存在し得るのではないだろうか。
ハーランドのバイアウト額がケイタやハイダラよりも高値の3000万ユーロなのは、モルデから獲得するのに既に500万ユーロ支払っていたからだと考えられる。

おわりに

こういったある特定のクラブを指した条項は、何もこの2クラブ間に限ったことではない。
レアル・マドリードは選手を放出する時に「将来的にバルセロナへ移籍することになった場合は・・・」のような条項を入れていると度々報じられるし、ニャブリがアーセナルからブレーメンへ移籍した際、本来全く関係無いはずのバイエルンが裏で絡んでいると言われ、実際に彼はその一年後ミュンヘンでサインをしていた。

ハーランドは将来、リーズやマンチェスター・シティでプレーした父と同じプレミアリーグに降り立つことを夢見ているものの、その前のステップとしてRBライプツィヒを考慮していると一部では伝えられている。
RBライプツィヒが真正面からメガクラブとの札束競争をしても勝つことは出来ないが、契約上の”トリック”があれば、ライバル達を出し抜くことができるかもしれない。

仮に実現しても懸念されるところはあります。すでに多くの選手を引き抜かれているザルツブルクファンにとってRBライプツィヒはヘイトの対象。実際昨季RBライプツィヒでアシスタンコーチをしていたマーシュがザルツブルクの監督になると決まった時、ネガティブな反応が横断幕で出ていました。これでハーランドが安い値段で買われていったらファンの不満はさらに高まるんじゃないかなと思います。

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